2007年11月法皇山脈・赤石山系縦走
東平〜銅山越〜西赤石山〜物住の頭〜東赤石山〜権現山〜
峨蔵山(黒岳〜エビラ山〜二つ岳)〜鯛の頭〜峨蔵越〜土居


山裾の紅葉(下山後の長い林道より)写真よりもっと綺麗だった
《目的》    下関山岳会 平成19年11月度月例山行
《日時》
     11月22日(木)〜11月25日(日)
《山域・山名》〔法皇山脈〕 東平〜銅山越〜西赤石山〜東赤石山〜権現山〜峨蔵山〜峨蔵越〜中の川
《参加者》   5名 林範之(記録) 市橋千賀子(装備)・木村ヤヨヰ(会計/担当)
         植村ヨシエ(食料/車)・播磨桂子
 
《行程記録》
11月22日20:00小月ホンダ出発→小月IC(山陽自動車道〜しまなみ海道)→新居浜IC→マイントピア別子 
    23日1:15着 テント泊

11月23日朝5:30起床 6:30 東平登山口へ移動 
赤石山系は瀬戸内海に沿って東西に伸びる山脈で、海岸から一気に1500m以上の連峰を形成しているのは日本では例を見ません。また、別子銅山は江戸元禄時代に開抗され300年の歴史を刻み昭和48年に閉山しました。赤石山系を登山する者は、その遺跡に触れながらの山行きと成ります。
23日早朝、マイントピア別子でテントを撤収し47号の清滝トンネルを出て橋の手前を左折、登山口の東平へ急ぐ。
まだモミジやイチョウの紅葉が残っており、さらに道を東平に進むにつれ赤石山系の峰々に冠雪が現れる。
天気はこれから2〜3日間快晴の予報、紅葉鑑賞と今シーズン初の雪山と、同時に二つが楽しめる縦走になりそうだ。計画当初、東平側と
土居町・中の川側の交差縦走の予定だったが参加者が5名の為、車は一台だけ。敬天の滝を下った土居町登山口から延々と歩いて土居神社でタクシーを手配しなければならず、かなり長時間の林道歩きが縦走の最終日に待っているのかと考えると少々憂鬱になるが、あまり気にせず初日の今日の縦走が充実したものになることを期待して登山を開始した。


〔登行記録〕11月23日(金)
7:30銅山自然の家・駐車場より登山開始 [天侯 快晴] 8:05 第三通道→ 柳谷分岐→ 9:00 銅山峰ヒュッテ→9:50 銅山越1294m→ 11:50 西赤石山1625.7m→ 13:00 物住の頭1634.3m→(石室越)→ 13:55 八巻分岐(赤石山荘へ下る)→ 14:10 赤石山荘→ 14:40 赤石越→ 15:10 東赤石山1706.6m 気温 6℃→ 16:25 分岐→ 16:35 権現越 床鍋へ約30m下りテント設営  21:00就寝 11月23日行動時間9:05


東平にて、これから出発

          
             銅山峰ヒュッテ                                      新雪の登山道


[雑感] 11月23日

登山開始から1時間30分で銅山峰ヒュッテに到着、新居浜方面の市街地と瀬戸内海を眺めながら休憩していると小屋から管理人の奥さんが出て来られた。宿泊客の予約が入っているので今朝から小屋の掃除をしているとの事。市橋さんが昔、銅山峰ヒュッテに宿泊した話などで会話が弾む。亡くなられたご主人の著書「赤石の四季」伊藤玉男著(H8年)をご縁なので貰って欲しいと奥さんに言われ、我々は有りがたく各自一冊ずつ頂きました。

  
西赤石山山頂

銅山越までは別子銅山の石垣や坑道跡が点在して昔の繁栄が偲ばれる。登山道の付近には植生保護の柵が数箇所設置されていた。銅山越からは新雪が登山道に現れはじめ、また西赤石山に近づくと稜線北側に見事な霧氷も数多く見られ、遠くの峰々の紅葉と相まって期待以上の景色に参加者は全員満足し、縦走の疲れを忘れさせた。西赤石山に到着。単独行の男性が石鎚山方面を写真撮影している。本日は視界が良く石鎚山1982m・瓶ヶ森1897m・笹ヶ峰1860m更に南の平家平1693mを山座同定する。360度見渡せ何時までも見飽きない。


左から笹ヶ峰〜瓶ヶ森〜石鎚山

          
              物住の頭と霧氷                                岩場歩きとなる



東赤石山山頂にて

「物住の頭」からの岩稜は南側を巻き前赤石山へ進む。赤石山荘の裏側に到着、水を補給する。一泊2千円の山荘は本日は閉まっている。八巻山へは登らず山荘から更に権現越方向に進み、巻道分岐から空荷で東赤石山頂へ15時過ぎに着く。狭い山頂で記念撮影。瀬戸内海の眺望が良い。日没の17時までに本日の幕営地・権現越まで進まなければ成らないので急いで縦走路へ降りる。東赤石山周辺はカンラン岩でできた高山植物に適した山で、田中澄江の著書「花の百名山」で有名なのだそうで、女性陣からは春のシャクナゲやツガ桜の群生シーズンや5月・GWのアケボノツツジ・8月のオトメシャジン・コウスユキソウの花の時期にまた来たいとの声が揚がりました。また記念に東赤石山の石を一つ持ち帰りました。後日くるみ小屋へ持って行きます。
東赤石山を巻く様に権現越への最後の緩やかな登りでは白骨林が印象的です。権現越南側の小屋跡の平坦地にテントを設営し終えると同時に日が暮れ始めた。水場もあるらしいが涸れている様子で見当たらない。夕飯はキムチ入り肉鍋と、サワラのバター焼きを美味しく頂きました。食・当さん、ご馳走さまでした。


〔登行記録〕11月24日 (土)

5:00起床 6:30 権現越出発 [天侯 快晴] →7:13 権現山1593.3m →8:52 黒岳1635m →10:20 エビラ岳1677m →13:30 二つ岳1647m →14:00鯛の頭 (アルミ梯子2基)→14:40 峨蔵越1266m →15:25(S57年倒壊の峨蔵造林小屋跡は涸沢)→15:30 沢・水場(標識「山頂まで2.5km」地点) → 15:40敬天の滝 展望所 →16:10土居町登山口の林道・最奥地点(工事中・進入禁止)→これから4km→[浦山川に沿った林道歩き開始]17:15 中の川登山口(日没)→ 18:40林道を下り高速道高架下の土居神社でタクシー手配[林道歩き2:30分] →20:00 東平駐車場着 →22:00 就寝  11月24日行動時間13:30

[雑感] 11月24日
縦走2日目も快晴 権現越先の四電・送電鉄塔を通過してから次第に笹が縦走路を覆う。権現山から黒岳・エビラ岳・二つ岳までは昨日までとは打って変わり悪路の連続。崩落した岩稜と笹藪漕ぎが交互に続き、しかも雪の積もった山稜から岩峰を何度も巻くが、アップダウンも半端では無くなり、縦走と言うよりむしろロープ無しでクライミングのトレーニングをしている様な緊張した雰囲気、悪路から険路に変わり、巻道も下りすぎるとルートの見定めが難しい。流石に黒岳・エビラ岳あたりでは皆、苦労して歩くわりに前に進んでいないので、溜め息が出た。この縦走路では他の登山者に出会わなかった。

  
         権現山はスズダケの中に                エビラへの崩壊した登山道を踏み後を確認しながら登る

登山道が不鮮明な箇所があり、赤テープは有るものの、悪路・険路の連続で一般登山者が気軽に踏み込める領域ではない。
 
         エビラ山頂上は狭くて記念撮影をするスペースも無い       二ツ岳は尾根のような頂上で狭い

二ツ岳の下りは何度かクライミングダウンがある。雪もあるので、ちょっとロープが欲しいかな?と思った
小さな標識に“これから死に物狂いで登れ”と書いてあった。成る程とうなずける。

二つ岳を後に鯛の頭の先のアルミの梯子を2つ通過し峨蔵越まで下れば縦走も終盤、峨蔵造林小屋跡を過ぎ「山頂まで2.5km」標識地点の沢で水を飲み一息入れ、敬天の滝展望所で見事な白滝を眺めた後、分岐の標識を左折 ※(注意)。林道終点に降り立つ。さらに土居登山口から4km下って中の川の登山口、ここまでで縦走終了のはずでしたが冒頭に書いたようにその後、林道歩きは延々と続き、日は暮れ月明かりを頼りに只管歩くのみ、流石に疲れた。2時間30分の林道歩きでした。
          鯛の頭の岩を巻く・・・・もうすぐ峨蔵越〜ここからは登山道が急に良くなる。 敬天の滝を前に感動する


      
 岩に掛かる土居登山口の標識 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・計画では中の川登山口に下山する予定だった4km余分に林道を歩く事になったのである


土居神社から自動車をデポしている東平まで戻るタクシーで途中、コンビニに立ち寄り、夕飯の弁当とおでん、ビールを調達し 20時に東平に辿り着く。11時間のハードな歩荷縦走の後,夕飯のおでんを美味しく食べ、その後皆熟睡しました。

※(注意)敬天の滝展望所から少し下ると標識があります。
[中の川]方面と [登山口] (林道終点に出ます)分岐の標識です。(この標識には[登山口]が工事中で現在降りれない注意書きが無かった)我々は一瞬迷いましたが [登山口]に降りました。
現在ここは工事中で立ち入り禁止です。(土居登山口側には立ち入り禁止の警告文あり)。
来年この山行で縦走予定の方は、峨蔵越から下って来たら必ず[中の川]方面へ下ってください。 

〔帰路〕記録
11月25日5:00起床→5:50東平出発〜新居浜IC〜(しまなみ海道〜山陽自動車道)〜9:10小谷SA〜11:15美東SA→11:50小月ホンダ着 解散



[雑感]
東赤石岳から二つ岳・峨蔵越までのアルペン的な岩稜を縦走した2日間を振り返っての感想。
今回は東平登山口標高・750mからの縦走でしたが、そのメリットはやはり担ぐ水の軽量化でした。
初日の縦走約7時間は最小の飲み水だけで済む。
2日間の標高最高地点、東赤石山頂の直下赤石山荘で水を確保すれば以後、水の心配はいらない。
デミリットは中の川に下山してからの林道歩きの長さと、交通手段の確保でしょう。

逆に中の川登山口標高・460mからの縦走では 
峨蔵造林小屋跡の手前の沢・標高1030m地点(「山頂まで
2.5km」)から共同用の水も含め、
標高1677mのエビラ岳を通過し、テン場の権現越まで約9時間延々と水を荷揚げ
しなければならない。
権現越を通過して・水場のある赤石山荘まで必ず一日で到着する計画なら話は別になりま
すが、
縦走路は険路で標高差も1200m以上有り、約10時間以上の行動が予想されます。
かなり厳しい歩荷訓練になると思います。
日の短いこの時期、中の川の出発時刻から担当者が時間を把握しながら行動しないと赤石山荘までに
日没前の到着は困難です。
メリットは東平登山口では一般観光客もいるので、下山後の交通手段の確保は容易です。

今回の縦走は天候と良いメンバーに恵まれ、紅葉鑑賞と今シーズン初の雪山での縦走となり参加者全員充実した山行でした。
紹介:このページの背景写真は赤石山系の特徴有る岩の模様です