全行程24時間、会費2500円の6月月例登山、参加者の皆さんお疲れ様でした。
コメント:急斜面を直登する登山道に「少しはジグザグに刻んでよ!」とぼやきましたが、急斜面の岩場が連続する下山路にはうんざりしました。ベテランの話ではこのコースは久住でも最も難関なコースで、一般客はあまり来ないとのこと。そのためか途中ですれ違ったパーティは一組で、山開き当日にしては静かな山行でした。(文責岡本)
★この時期の九重山系の山々は花と新緑の美しい眺めが堪能できるのであるが、また梅雨期の到来で往々にして雨が付き纏うのである。今回は土曜から日曜日にかけて天気予報では雨となっている。それも、降雨確率は70から80%であり、雨を覚悟で出発する。
男池に付いた時はまだ降ってはなかったが、テントを張る頃風が強くなり雨となる。設営は駐車場であり、ペグが打てないため、テントの四隅にしっかり近くの河原の石を積む。後発隊が午後11時半頃到着し、午前0時過ぎには皆シュラフに潜り込む。朝5時、起床で寝に付く。昨晩入念にテント設営したが、朝起きるとテントの隅から雨が進入し、シュラフが濡れている。隅で寝ていた私は背中が湿っていた。
今回、食料は全て各自準備で、それぞれが準備した朝食を摂る。食事後、直ぐに車を下山予定地の白水鉱泉に車を1台廻す。大迫さん、西村さんご苦労様。二人が配車に出ている間、テントを撤収する。昨晩、設営の際に風が強くポールの袋が飛ばされてしまった。幸い近くの溝に引っ掛かっていたので助かる。
出発は6時の予定であったが、少し遅くなる。雨の中、皆うつむき加減で気が重そうだ。黒岳は九重山系の中でも特異な存在で、深い自然林の森の美しい山である。特に頂上一帯のシャクナゲは見事である。この時期は既に花は終えている。替わって萌葱色の新緑が一斉に開き雨雫と重なり、滴り落ちてくる様である。深い緑の中を黙々と登行する。ソババッケを過ぎ風穴に着く。数人の人がロープを垂らした風穴に入ろうとしていた。我々の仲間も若い人が洞窟を探訪する。他は、雨の中で待つのは寒いため先行することにする。此処からは高塚山(1587m)まで約1時間弱の急斜面の登行となる。この山は至る所に風穴がある。これは大きな火山岩の積み上がった山であるためである。さらに降った雨は容易に地下に浸透し、地下水となり、麓に豊かな水量の湧水池が形成されている。頂上付近から湧水池まで流れ下る時間は私には判らないが、数週間、数ヶ月あるいは数年の歳月なのか、興味有る事である。ここ数ヶ月間、降水量の少ない所為か、心なし男池の湧水量が少ないように感じた。後で文献を調べたところ、黒岳に降った雨が地中に潜り、男池などの湧水池に湧き出すまでの時間は約1年程度だと言われている。富士山麓にも有名な湧水池があるがこの場合、山の規模が大きい為、それは数十年の歳月を経て湧出すると言われている。
高塚山に全員11名が揃う、雨に濡れ寒いので休憩もほどほどに、先を急ぐ。此処からは急坂はなくなるが小さなギャップと岩と岩の隙間があちこちにあり、さらに灌木をくぐりながらの前進である。11時40分前岳(1334m)到着。ツエルトをタープ代わりに張り大休止。ガスバーナーに火を入れ暖かい飲み物を作り、摂る事で一息つく。雨は相変わらず落ちてくる。一向に止むけはいはない。約50分の休憩後、出発。此処からは緩やかな稜線を約700m行くと白水までの急な下りが待ち受けている。一気に白水鉱泉へ急坂を転がり落ちる様に下る。この日、終日の雨であった。「雨もまた良し」と強がりを言っている。
男池→高塚山→前岳→白水鉱泉の総登行距離は約8.5kmであった。
白水鉱泉の炭酸泉汲み場の屋根下で休憩、二人が男池へ車を取りに行く。雨具を外し、帰路に付く。帰りの国道の渋滞を考慮して温泉入浴は省き、15時過ぎに出発。思いの外、国道の渋滞もなく早い時間に下関へ到着した。5月の槍ヶ岳と今回の山行いずれも女性が多く、下関山岳会のウーマンパワーに引っ張られた山行であった。(記:細川)
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