2008年９月月例登山報告

　
９月１３日(土)～１５日(月)

比叡山　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　雌鉾岳

山行名　：　比叡山・雌鉾岳クライミング(長崎山岳会合同登山)

参加者　：　濵口（下關山岳会）　　　　　　　グッチャン
　　　　下松八重（長崎山岳会C.L）　シモさん
　　　　　　　三田(長崎山岳会S.L)　　　　　サンダさん
　　　　　　　吉村(長崎山岳会)　　　　　　　ヨッさん
　　　　　　　平山(長崎山岳会・会計)　　　　ユウコさん　　　　　　　　　　
　　　　　　　窪田(長崎山岳会・食糧)　　　　クボッちゃん
　　　　　　　東　( 長崎山岳会)　　　　　　　ヒガシさん
　　　　　　　倉嶋(長崎山岳会・食糧) チーちゃん

目　　的　：　クライミング技術の向上を図る。

　　　　　　　他山岳会との交流・親睦を通じ自らの錬磨とする。

記　　録　　
９月１３日（土）　５：００に下関を出発する。

　　　Ｒ３号→１０号線　　216.7Km/3.62 (\2400) 48Km/0.96 (R10号線)

　　　　　　　下関　→　宇佐別府道路　大分道　→　東九州道　→　佐伯　→　延岡

　　　　　　　R218号線　30Km/0.6 10Km/0.25

　　　　　　　→　日之影町　→　比叡山　 Total 304.7km/5.43 GS=17.9L

　　　　　　　　
事前に連絡を取り合って待ち合わせをしていた長崎山岳会先発組の三田さん、吉村さん、窪田さん、東さんと１１：００に比叡山トイレ前で合流する。庵の石橋さん、蒲原さんの待ち合わせまで少し時間があるので、皆で1スラの１Ｐで体を慣らす。　　時折パラパラと雨が落ちてきたが岩を濡らすほどではない。１２：００過ぎに石橋さん、蒲原さんも到着。天気も心配なので、すぐに取り付ける第Ⅰスラブと第Ⅱスラブを登ることにし、

第Ⅰスラブを石橋さんのリードで窪田、吉村、
第Ⅱスラブを蒲原さんリードで濵口、三田、東の２パーティとする。

１２：３０　
第Ⅱスラブスーパーの取り付きは第Ⅰスラブスーパー・ノーマル、第Ⅱスラブノーマルと同じで、トイレの左側から続いているフェンスの端から廻り込み、少し登ったところが取り付きである。

１Ｐ目は、第Ⅰスラブが左上気味に登って行くのに対し、第Ⅱスラブは直上していく。

２Ｐ目まではノーマルと同じルート。　　ブッシュ帯に入り、左が第Ⅰスラブノーマル、その右が１．５スラブ、そしてその右が第Ⅱスラブスーパーとなっている。２Ｐまでは３５ｍ、４０ｍいずれもⅣ^－　。　
３Ｐ目からノーマルを登る。ここは中間部からホールドが細かくピンも遠くナカナカ厳しい、４５m Ⅴ^＋　。

４Ｐ目の途中から５Ｐにかけてはスーパー、ノーマルが合体しており、４Ｐも厳しく、３５ｍ　Ⅴ^－。

５Ｐ目　４０ｍ　Ⅳ。

６Ｐ目からノーマルを右に分けてスラブを直上していくようになる。
　６Ｐはブッシュの中を右にトラバースしスラブを直上するルートで、４０ｍ　Ⅵ^＋　。

７Ｐ目は３０ｍ　Ⅵ^－　。　　終始安定した蒲原さんの動きはさすがである。　

最終Ｐ Ⅳ ３０ｍは両側がブッシュ帯となり、その間を登るようになる。

１４：３０終了点に到着。　

先に登り終えていた第Ⅰスラブのパーティーと合流し握手を交わす。
下降路は、クライマー専用の下降路（近道）を一気に下る。

途中水場に寄り喉を潤す。　冷たくて大変美味しかった。　誰かが余り水を飲むとビールが美味くなくなるけんね！と言っていた。１５：００過ぎに駐車場に着いた。　　着くや否や、みんなナマ！ナマ！（生）と叫んで、私一人を置いてさっさと出発してしまった。少し遅れて庵の駐車場に着くと、三田さんが皆那須商店に直行していて生ビールを飲んでいるからと、私を呼びに来てくれた。私は、今日は庵の泊まり客が多いので、先に部屋に荷物を置き、自分の寝床を確保して、一風呂浴びて、それからゆっくりと生ビールを飲もうと、密かに自分なりの行動計画を立てていたのだが、折角だからと思い、風呂は後回しにして、荷物もほったらかしにして那須商店に向かった。那須商店に着くと、奥のテーブルで庵の三沢オーナーはじめ石橋さん、蒲原さんの他に３名庵のメンバーがテーブルを囲んで生ビールを飲んでいた。挨拶だけして長崎のテーブルで飲もうと思っていたのだが、傍に行くなり即座に椅子と生ビールと豆腐が出てきて、ノメ！ノメ！クエ！クエ！と言うので、折角だからと、豆腐と鰯の缶詰で生ビールを一気に３杯頂いた。考えてみると今日はろくに食事をしていない。　　今朝６：００頃に※グッチャンおにぎりを１個食べただけで昼もろくに食べていなかったので、一気に飲んだこの生ビールは結構利いてしまった。^※グッチャンおにぎり＝〔宮城産ササニシキ（無農薬、無化学肥料、無有機肥料）の玄米に発芽十六雑穀を入れて炊き、添加物の一切入ってない梅、じゃこ、ワカメなどを混ぜ込んだ特製のおにぎりのこと。　このおにぎりを食べると便秘と水虫が治る。〕庵の方々と飲んでいていつも感じるのだが、酒盛りが始まるとメンバー（庵の会員）の中で必ず誰かがエジキにされるのである。　迂闊な言動、酒が弱い、どこかの岩場で落ちた…。などというような事例があると徹底的に寄って集ってケチョンケチョンにやられてしまうのだ。　　庵の会員になる人はその辺のところを十分に認識しておかなければならない。あとは庵でゆっくり飲もうということになって、勘定を済ませみんなで那須商店を後にした。庵に着くとやがて長崎山岳会の後発組のシモさん達も到着し、早々に食事の準備をしてくれた。今回は、下関からの参加者は私一人だったので、食事は長崎山岳会のお世話になることに。事前にシモさんが手配していてくれたのだ。外のテラスでテーブルを囲む人、部屋で囲炉裏を囲む人、山仲間の楽しい夕餉が始まった。１９：００頃になって鹿児島山岳会の伊達さん達もやって来た。やがて庵の工藤さんや石橋（ヤスコちゃん）さん、北山さん達も到着した。今日は庵の人達を含め２０名以上の人達が集まった。素晴らしい山仲間達の談笑は夜更けまでつづく。

９月１４日（日）　曇り
夜半から降り出した雨は上がっていたが、外は濡れ、どんよりとした空模様である。今日は庵の三沢オーナー、蒲原さん達は行縢山の整備に、石橋さんは滝見新道の整備を予定しているとのことだ。我々は雌鉾岳南面スラブの登攀を予定しているのだが、この天気では岩は濡れていると思われる。長崎山山岳会の人達と相談した結果、取り付きまで行って状態をみて決めようということになった。石橋さんが作ってくれた味噌汁と長崎の人達が準備してくれた朝食を頂く。庵に来て石橋さんがいるときは必ず美味しい味噌汁を作ってくれる。そして、チーちゃんが自分で漬けたと行って出してくれた小梅の梅干は自然の味がしてとても美味しかった。７：００過ぎ、２台の車に分乗して庵を出発、約１０分で鹿川キャンプ場に到着。駐車場には我々の車だけで他の登山者はいない。通い慣れた登山道を雌鉾岳へ向かう。　　途中で、今日は滝見新道の整備をするといっていた石橋さん達も追いついてきた。

　　　　　　　

８：００過ぎに全員雌鉾岳南面スラブの取り付きに到着。　　
美しいトラバースルートの１Ｐ目の下部が少し濡れていたが、上部は概ね乾いているようだ、しかし中央バンドに至るトラバースはまだ乾いてはいないだろうと思われる。結局、今回は美しいトラバースルートの松ノ木までの３ピッチを登り、あとは雌鉾岳のビューポイントとピークを登ろうということになった。雌鉾は私がリードすることになっていたが、アンタ達をほっとけんけんね、といって、石橋さん達は滝見新道の整備を後回しにして我々に付き合ってくれた。　
装備を整え、２パーティに別れ、松の木のビレーポイントめがけて登攀を開始する。

１パーティは右（サブマリンの１Ｐ？）よりから、私とシモさん、三田さんは美しいトラバースを石橋さんに　リードしてもらう。私が石橋さんをビレーし、シモさんを上げる。　このルートは松の木までは４５ｍが３ピッチ、グレードはいずれもⅣ級である。　　
久しぶりの雌鉾のスラブの感触を味わいながら登る。ユウコさんも「ワタシも登る！」といっていたが、いつまで経っても上がってくる気配はなかった。ところどころ濡れた部分があったが全員問題なく終了点の松ノ木ビレー点に到着する。　
下りは南面スラブの左側樹林帯につけられた下降路を下ろうということになった。松ノ木から１０ｍ程直上して左へトラバース、途中ピンが一箇所ある。そのまま左の潅木の中へ入っていくのだが、木陰となっているこの部分には苔も生え、かなり濡れている。石橋さんは濡れとってもすべりゃせんよ！と言ってどんどん進んで行く。　頼もしい限りである。潅木帯にたどり着き、木々を押し分け入ってすぐのところに下降路があった。ここで登攀終了。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ビューポイントより雌鉾岳：
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　手前の丸い岩峰が雌鉾頂上。

各自取り付き地点へ下る。１０：３０取り付きに全員が揃った。　
今日は３ピッチだけだったが、昨日にひきつづき雨にも降られずに登れたことにみんな満足顔である。石橋さん達は先に滝見新道の整備に向かった。我々も不要な登攀用具をデポし、次の目的地である。雌鉾岳のビューポイントに向かった。鉾立谷に降り対岸へ渡る。
これまで度重なる台風や豪雨により一般登山道は寸断している。　　

　庵の滝大滝・・・・鉾立谷に降り対岸へ渡る

今では庵の滝大滝ルートなどの取り付きに向かうために利用されていた谷川沿いに付けられた滝見新道を利用することになる。鉾立谷から取り付くルートは様相を変えていた。谷は深く抉られ、以前の取り付き点は谷よりかなり上の位置となっていた。自然の力の物凄さを感じる。
大滝のあたりで、石橋さん達が登山道の笹を鎌で刈払っていた。もう昼近いのに水も食べ物も持たずに働いているという二人の姿に見かねたチ－ちゃんは、バナナと甘納豆をそっと渡していた。要所要所にロープが張られた急坂を暫く登ると、茂る笹竹の間に付けられた登山道に出る。ここは、左に下ると鬼の目、雄鉾岳方面に、右に登ると雌鉾岳のビューポイントにつづく分岐である。一旦左に下り、沢で軽く昼食をとったあと、ビューポイントに向かう。沢からビューポイントまでは１０分位で着いた。　　　
多少の曇り空ではあったが雌鉾岳の大岩壁をカメラに収めることが出来た。沢まで戻り次の目的地である雌鉾岳のピークへ向かおうとするのだが、その道が分からない。それらしきトレースに入っては行き止まりで引き返し、結局は鬼の目に至る林道に出てしまった。諦め半分で雄鉾岳に登ろうということになり、目標を雄鉾に変え、林道から雄鉾岳に向かった。林道から雄鉾岳方面に入るとすぐに雌鉾岳の大滝に注ぎ込む沢に出るのであるが、なんとここに雌鉾岳方面を示す看板があるではないか。　　前回来たときにはこの看板は無かったのだが…。
改めて目標を雌鉾岳のピークに戻し、目印のテープを辿った。雌鉾岳へのルートは、その沢を少し下り、途中から右上して行くと雌鉾岳裏側三の坊主基部へと道は続いている。　所々倒木などで荒れてはいるものの道ははっきりしていて迷うことは無い。
頂上直下は急斜面となりロープが張られている。最後のピークへの登りはぶら下げてあるコブ付ロープを頼りに登るので少々腕力がいる。
１４：００　全員が雌鉾岳（三の坊主）の頂上に立ち、記念のシャッターを押した。薄曇りの景色はイマイチだったが、ピークに立てたことでみんな満足顔だった。暫し記念写真を撮ったりしてから頂上を後にした。今日の予定を無事に終えた我々は、復路を鹿川へと下る。

雌鉾岳2の坊主のてっぺん　　　　　　　　　　　　　　雌鉾岳ビューポイント

１５：３０鹿川キャンプ場駐車場到着、庵には１６：００過ぎに到着した。今日もやはり、那須商店直行である。全員でテーブルを囲み生ビールで乾杯した。　庵に戻り、今晩のメニューである餃子を皆で協力して作った。　いろいろな形の餃子はそれぞれの個性が出ていて面白い。昨日は少し飲みすぎたので、今日は控え目にしようと思っていたのだが、いつの間にかそのことはすっかり忘れていた。鹿川最後の夜、山仲間達との会話はいつまでも尽きることは無い。

９月１５日　二日酔いの朝、今日は予想通りの雨である。天気が良ければ、午前中比叡山に登る約束を昨夜のうちに北山さんとしていたのだが、この雨で中止となったので、明日からの仕事もあるし、今日は早目に帰ることにした。誰かが起きてくるなりビールの栓を開けていた。　それを横で見ていた人が焼酎を飲み始めた。　だからどうだということはないのだが、わたしは朝食を済ませ、三沢オーナーやお世話になった石橋さん達に見送られ庵をあとにした。