3月22日(土)
天気予報によると、山行予定の2日間は晴れることが見込まれ、気温も高めのようである。山なので朝夕は冷え込むだろうが日中はぽかぽか陽気の中、春を告げる花を探しての山歩きを期待して集合場所のK2にむかった。
7:05 参加者6名が集合し、宮元さん車、森永さん車の二台に分乗して出発。途中、いつもの「豊前おこしかけ」で休憩した。玖珠町に入ると周辺の山がうっすら白くなっている。当然九重は積雪ありだろうが、道は大丈夫だろうかとやや心配になる。道路は問題なかったが、九重連山は想定外(すみません)の雪景色、私以外のメンバーが喜びの声を上げる中、雪道歩きの技術がない私は軽アイゼンを持ってこなかったことを悔やんでいた。
10:15長者原登山口駐車場着
福岡支部の濱口さんと合流。それぞれ久闊を叙し、登山準備をした。ここで共同装備、食糧のボッカ分担。8人用テントの本体を濱口さんが引き受けてくださった。

11:00登山開始
雪の上を歩くのは久しぶりで、木道ではすべって湿原に落ちないか緊張した。しかし、残雪ではなく前日あたりに降った新雪のようで、柔らかく歩きやすい。青空に映える樹氷が美しかった。


11:40〜45 ベンチのある場所で休憩
指山を右手に登っていくと、ダークブラウンと白の木立の中に、黄色いマンサクの花が咲いている。遠く、指山や三俣山にも黄色い部分が見られた。早春にいち早く咲くことから、「まず咲く」が訛って「マンサク」になったという説があるそうだ。

12:19〜29 展望のよいベンチで休憩。
13:45 坊がつる キャンプ場着。

連休の坊がつるなので賑わいそうだが、この時間まだテント場は余裕で場所が選べる。炊事場の近くに場所をとり、テントを設営した。近くの木立にもマンサクの花が咲いている。目的の「春を探そう」はばっちり達成、あとは「しっかり歩く」なのだが…。
予定では坊がつるから南方直登ルートで三俣山に登ることにしており、CL江頭さんが途中で登山口を確認してくださっていたが、時間的に難しいだろうということで予定変更、代案を立てた。宮元さんは大船山、江頭さん、植村さん、播磨の3名は立中山をめざし、他3名は坊がつるでテント守りをすることになった。
14:20 出発
法華院から左手に木立のなかのなだらかな道を歩いた。鳥のさえずりも聞こえてのどかな気分。
15:00 鉾立峠着
歩いていると暑くなってきて上着を脱ごうかと考えたのだが、立ち止まると冷たい風に一気に冷えてしまった。ここから立中山への登りだが、雪解け水が流れ、地面は真っ黒なぬかるみ状態。やや急な上りは一歩進んで二歩下がってしまいそうなので岩や木につかまりながら登った。途中何度もやめたくなったが、引き返すのはもっとたいへんなので頑張るしかなかった。
15:27 立中山山頂着

泥濘の道に戻るのは御免ということで、大船山方面、段原に向うルートをとった。途中、6月のミヤマキリシマ山行で別ルートに入ってしまった地点を確認する。標識はあるけれど、小さいので見逃してしまったらしい。さて、その標識を段原方面にすすんだが、先行のグループがあったらしく足跡がしっかりついていた。雪が結構深いところもあり、ふかふかで楽しい。木の間を潜り抜けたりしてちょっぴり薮こぎ気分も味わった。
16:15 段原〜大船山への登山道に合流。
16:50 坊がつる着
テントの中に入ると、とても暖かい。紅茶などを飲みつつ、全員が揃うのを待った。夕食は、食糧担当の植村さんが用意してくださった豚汁、アジの開き、ご飯、御漬物。豚汁は、肉はもちろん大根・人参・里芋・ごぼう・こんにゃく・きのこなど野菜もたっぷりの具沢山で、ごま油の香りもよくたいへん美味しかった。ご飯は山岳会員の城代さんのところ(阿東町)のお米だそうで、「これが一番美味しい」と植村さんの一押しだ。あれこれ話もはずみ暗くなってきたところで、翌日に備えて就寝とする。トイレに行くためテントの外にでると、快晴の夜空にカシオペア、オリオン、北斗七星、スバルと知っている限りの星座が確認できた。ヘッドランプの明かりできらきら光る雪も美しかった。
3月23日(日)
5:00 起床
夜は冷えて冷えてなかなか寝付けず、浅い眠りで何度も夢を見ては目を覚ましたりを繰り返した気がする。他のメンバーも同様に寒さであまり眠れなかったそうだ。朝食は熱々の雑炊をいただいた。
6:40 登山開始

前日と同じ道をとおって鉾立峠へ向う。足元はやや凍りついていて、滑りそうなところは少し蹴りこみ気味に歩いた。

7:20 鉾立峠
ここから白口岳への急登は今回の山行一番の難関?2回ほど休憩を取りながら登った。山頂に近づくとやや急な岩場となり、雪が凍り付いてなくてよかったと思った。
8:32 白口岳
四方の山が見渡せて眺めがよい!といいたいところだが、PM2.5や黄砂などのせいか、うっすらともやがかかっている。標識には凍りの衣がついていたので、少し払い落として記念撮影。天気はよいが、風が当たるとあっという間に冷えきってしまうので休憩はほどほどに次へ向った。
江頭さんたちは久住方面からの登山者とすれ違うときに、ガス発生の状況など情報交換をされていた。

9:15 稲星山
阿蘇の寝姿観音がきれいに見えた。煙が上がっているのはおそらく野焼きではないかとの話になり、しばしば事故がニュースになる野焼きのたいへんさに思いをはせた。稲星山で、帰りを急ぐ濱口さんと別れの挨拶をしたが、のちほど坊がつるで再会することになるのだった。

10:06 久住山
久しぶりの久住山頂、登山者も多く「くじゅうに来たぞ」という晴れ晴れした気分になる。少し長めの休憩をとって久住分れ方面に下りた。
10:45 久住分れ
久住分れから北千里へ。緑のない山に囲まれた地形は、「(行ったことないけど)ネパールみたい」と妄想させる。ずっと前方から聞こえてくる歌は異郷のフォークソングのよう…と思っていたら、市橋さんと植村さんが歌う「坊がつる賛歌」だった。本当に「四面山なる」景色は最高だが、雪解けで道がぬかるみ、登山靴がドロドロになった。


知人が「ゴリラ岩」と名づけた岩が見えるところを過ぎると下りに入り、少し雪も深めになって、緊張しながら歩いた。ここから坊がつるに向う斜面を横切るようについた道は、子どもの頃歩いたとき、たいへん怖くて「もう二度とこの道は通らない」と言ったことを思い出す。今でもやや腰が引けているが、子どもの頃に比べれば平気で歩けるようになったものだ。法華院温泉山荘の横を通って坊がつるに出た。出発したときに比べて随分雪も消えており、春らしく心がなごむ眺めを楽しみながらゆっくり歩いた。

12:00〜12:30 坊がつる
テントを片付け、荷物を分担して下山準備。結局帰路もテント本体は濱口さんが担当してくださった。先輩方が率先して装備を受け持たれ、ぐずぐずしているうちに若輩の私が多分一番軽い荷物になり気が引けた。
雨が池越は通常でもぬかるみがちな道だが、雪が溶けてずっとぬかるみ状態が続いた。前日の立中山の登りに比べればマシと思ったが、距離が長いので少々うんざりした。
13:36 展望ベンチ
長者原からの自然観察路は、家族連れなど散策をしている人も多かった。長者原につくころには靴の泥もだいぶん落ちていたが、洗い場でブラシを使って泥を落とせたので、帰宅してからの片付けが楽になるのが嬉しかった。
14:30 長者原駐車場
帰路は豊前で渋滞にあったりしたが、ほぼ予定通り18時38分無事に下関K2に帰着した。山と天気と同行の皆さんに恵まれ、楽しい山行ができたことに感謝!
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